ワクチンの接種間隔の規定が変更されました。


2020年10月1日から異なるワクチンの接種間隔についての規定が大幅に変更になりました。
これまでは、不活化ワクチンの次は6日以上、生ワクチンの次は27日以上あけるように定められておりました。
今回の大幅な変更は、注射生ワクチン→注射生ワクチンは27日以上あけること以外は、
規定が撤廃されているのです。
つまり、注射生ワクチン→不活化ワクチンが翌日にも接種出来てしまうということです。
不活化ワクチン→不活化ワクチンも同様です。
ところが注意しなければならないのが、ワクチン固有の接種間隔は変更していないということです。

Hib(インフルエンザ菌b型)、肺炎球菌といった生後2か月から開始される不活化ワクチンはそれぞれの接種間隔を27日以上あけるように設定されていますし、
生後3か月から始まるDPT-IPV(四種混合:ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)は3〜8週あけるという設定が成されています。
他のワクチンでも固有の接種間隔の幅があります。日本脳炎は初回→2回目が6-28日の間隔を
あけるように推奨されていますし、病院によっては1週間あけて2回目をやることもあります。
当院では4週間後に2回目を接種するようにスケジュールを組むことが多いです。

それぞれ異なるワクチンの接種間隔については自由度が高くなりましたが、同一ワクチンの接種間隔を意識することなくスケジュールを組んでしまうと思わぬ接種ミスに繋がる恐れがあります。
当院では、これまで実施してきた接種スケジュールを提案させて頂き、接種ミスの無いように心掛けていきます。


ロタウイルスワクチンが定期接種になりました。


2020年10月1日からロタウイルスワクチンが定期接種に組み込まれました。(無料になります。)
2020年8月1日以降の出生児が対象となります。
ロタウイルス感染症(冬〜春に流行する嘔吐下痢症)を予防ないし軽減する効果のあるワクチン
になりますが、初回接種が生後14週6日までに推奨されております。
時期が遅れてから初回接種した際に腸重積症という合併症の懸念が問題になるからです。
そのため当院では生後15週以降経過している初回接種の場合にはロタウイルスワクチン接種を
見送らせております。

ロタウイルスワクチンは経口生ワクチンに分類されますので、2020年9月30日までは接種後27日は
他のワクチンを接種することができませんでした。
そのため、予防接種スケジュールを組み立てる際にロタウイルスワクチンをいつ組み込むかが
重要視されていたと思います。
今回の接種間隔についての規定が変わったことにより、これまでとは違う接種スケジュールを組むことが
出来るようになりますが、当院ではこれまでおこなってきたスケジュールを大きく変えない予定です。
それはなぜか?ミスを起こさないためです。